Xの記憶〜涙の見る夢〜

第7章 真の果て  12.すべて

「晃実!」
「だめです!」
 晃実のもとへ飛ぼうとした雄士を制し、粋が先立って晃実との距離をゆっくり縮めた。思ったとおり、シャイと同じ壁が存在した。
 恭平が近づき、雄士も並んだ。
「晃実っ、晃実……」
 恭平が何度呼びかけようと答える気配はなく、晃実の表情からは意思が欠如していた。
「恭平、退け」
 恭平が一歩退くと、雄士はその壁に手を触れた。

――晃実、応えろ。
――……。
 無言でも雄士は晃実の反応を捉えた。
――晃実。
――助けてって云ったのに来てくれなかった。ダメだって云われても会いに来る……って、あれは約束じゃなかったの?
――晃実――。
 守ることよりも欲求を抑えられなかった幼さは云い訳にはならない。
 名を呼んだきり、答える言葉が見つからずに雄士はくちびるを噛みしめる。血の味がした。
――わたしは求めちゃいけない。求めるとわたしの力は溢れる。独りにはなりたくない。でも……もう……独りがいい。

 こんな力なんていらない。
 夢見たのはたった一つ。
 ただ一緒にいられればよかった。

――晃実……。
 雄士が云いかけたその時、壁が軽い衝撃を受けて光る。
 ともにその方向を見ると、将史が手をかざしていた。
 MEGのコントロールが効かないと知り、さらに攻撃がなんの影響も及ぼしていないとわかって将史が顔を歪めた。その傍らで恐れ慄くDAFのスタッフを叱責(しっせき)し、将史は何かを受け取った。
 声は聞こえなくても晃実はその手のひらに隠れたのが何か、容易(たやす)く突き止めた。
 力が溢れだすとともにその感覚も研ぎ澄まされている気がした。
 将史の握りしめた手の中にあるいくつも重なった小さな粒は弾丸だ。
 どこまで把握したのか、壁の向こうで雄士たちが言葉を交わしている。
 待ったなく、将史は異能力を使って弾丸を放り投げた。意思を持ったように弾丸は雄士たち三人に向かっていく。
 晃実は素早く転移して盾になった。
「晃実!」
 背後から叫ぶ声が聞こえることもなく、晃実の壁は弾丸をふわりと吸収し、粉々に砕いた。

 非情な心には非情な心で。
 真の事実を知った今、怖いものは何もない。
 空気が音と勘違いするほどの重々しい振動を伴って(おぞ)ましい気配に歪んでいった。

 ドクン。
 ドクン。
 ドクン、ドクン……。
 鼓動が重なっていく。

 晃実はドームの入り口に目を向け、その先を見据えた。地鳴りがしてこもった音がした。
「晃実!」
「研究所が崩壊しました」
 恭平の声に重ね、晃実の視線を追っていた粋が告げた。透視で見た研究所は跡形もなく一瞬で灰塵(かいじん)と化している。
――晃実!
――雄士……今、怖いものはない。そう思ったけど……わたしはわたしが怖いよ……。
――晃実っ。
 DAFが崩壊しようとどうだっていい。
 雄士が止める理由は一つ。晃実が必要のない(とが)で自分をがんじがらめに縛るのを回避したいがためだ。
 将史が再び攻撃を仕掛ける。
 それを跳ねのけたのはシャイだった。
 シャイの中にあった幼い晃実としての記憶もまた(かえ)る。

 こんな力なんていらなかった。
 意味のわからない力試しはユーとのゲームにすぎなかった。
 使うべきじゃない。
 ただ一つの約束。ユーを守るために、ユーのためだけに使う力。
 ずっとずっと奥にある深層であたしはそう思い、溢れる力を止めておくために心に膜を張り、自分で自分を壁の中に閉じこめた。
 ユーが消えたのはあたしを捨てるためじゃない。
 グレイが消えたのは別れるためじゃない。
 あたしから“あたし”を守るため。
 グレイを奪ったのは――。

――許さない!
 シャイが叫んだと同時に将史はミームに拘束された。

 見てればいい。

 そう吐き捨てたのは晃実なのか、シャイなのか。心が重なっていく。

 晃実は視線をグラウンドに走らせた。通り抜けた場所は砂塵となって散り、その下にあった第二の研究室を丸出しにした。
 スタッフは愕然と宙に立った晃実、そして雄士たちを見上げる。
 晃実は滑らせた視線のままに慌てふためく姿を容赦なく切り捨てた。悲鳴を上げる間さえ与えられることのなかったスタッフは機材ごと消え去り、音さえなく一瞬にしてそこは空っぽになった。
「ここまでの力が……」
 予知として予測していた恭平は想像以上の晃実の力に呆然とした。
 第二のコントロールルームから阿鼻叫喚が漏れる。
 晃実はそこへと視線を向けた。
 狂うだけでは手緩い。望むのは跡形さえ残らない抹殺。
 晃実がクイッと顎を少し上向けたとたん、うっとおしい叫び声が消えてその先に空が広がった。
 ひぃいーっ。
 将史の傍に残ったスタッフが奇声を上げた。晃実の目と合ったとたん、スタッフが一人消える。もう一人に目を移し、晃実が首をかしげるのと同時に消滅した。
 晃実はゆっくりとシャイに縛られて身動きの取れない将史に目を向けた。
 ふっ。ふひははははっ。
 その奇妙な笑い方は将史もまた狂いかけていることを知らせる。

 右脚を消滅させた。将史は痛みさえ忘れたように放心しながら無様に崩れて手をついた。将史が顔を上げる。そこにはそれまであった威厳も非情さもなかった。
 晃実は残虐さを自らに焼きつけるように、左腕、左脚、右腕とゆっくりといたぶるように奪っていった。手脚を失くし、唯一の支えだった上半身を失い、頭蓋(ずがい)が落ちる。
 特異な能力を持ったばかりにその頭蓋はまだ意思を捨てきれていない。口が開いて苦しみを漏らすも声帯はなく、口もとはパクパクと陸にあげられた魚のように喘いでいる。
 残った誰もがまるでスローモーションのようにその姿を捉えた。
 これほど惨めな人間にはなりたくない。将史を見て、粋は本気でそう思った。
 床に落ちる寸前、その頭蓋を散らせたのは晃実ではなく、雄士だった。
 自分を見つめる脅威という眼差しだけが晃実の記憶に残る。

 終わった――のだろうか。
 感情のない晃実のかわりにシャイの口から再び嗚咽が漏れる。
 晃実はグラウンドから視線を上げて恭平を見やった。
「もういいよ、晃実。終わったんだ」
 その声は聴こえない。けれど口もとを見ればわかる。
 晃実は否定するように首を振った。
 恭平の、終わった、という言葉で気づいた。
 まだ……残ってる。

「殺して」

 そのつぶやきは壁の向こうにいる誰にも聴こえない。
 ただ、晃実が恭平の言葉をわかったように、彼らも晃実が何を口にしたのかをわかった。
「晃実、違う」
 雄士は壁に手を当てた。
「わたしを殺して……」
 感情を失くしたはずなのに、晃実の瞳からは涙が溢れる。

――晃実、おれたちはずっと一緒にいられる。それが約束だったはずだ。
――それが願いだった。でも……それは間違ってる……。
――晃実!
――わたしは誰も信じきれないから。自分のことも……。力が溢れていくの。もう制御できない。

 殺してくれないのなら。

 どくんっ。

 一際大きく鮮明に鼓動が高鳴った。晃実に呼応したシャイはあの時のように、躰の中で急速に際限なく力を巨大化していった。
「雄士、シャイが!」
 粋が示唆したときはすでに時遅く、シャイの力が光となって躰を包み、その躰ごと、一見的外れの方向へと放出された。
 雄士がシャイに気を取られた瞬間に晃実は転移した。
 晃実――っ。
 だめだっ。
 すぐに気づいた雄士に重ねて恭平が止めるなか、粋は目の前に広がるだろう悲劇的な光景を予測して呆然と見守った。
 粋よりも早く立ち直った――というより、本能で動いているだけかもしれない雄士が、まにあわないと知りつつも晃実を追う。
 シャイと晃実が衝突する寸前、その間に小さな物体――ブレスが侵入した。同時に雄士がまっすぐに横から突入してシャイを抱く。が、力を吸収しきるまでには近すぎて、力と力がぶつかった。雄士とブレスとともに、光は弾けるように拡散した。

 ぐぶっ。
 晃実の口から大量の血が滴る。
 あまりの眩しさに視覚障害を起こした雄士たちが目にしたのは、木の葉のように舞い落ちていく晃実の躰だった。
 雄士とブレスによって力が軽減されたはずも、自らを狙って溢れた力は晃実を危険なほど傷つけた。
 撥ねられた自分の傷はものともせず、雄士は地につく寸前、晃実の躰をすくった。

「晃実、約束しただろっ」
 絶叫に近い声で雄士が晃実を責めた。
 このまま死なせない!
 血に染まった晃実の躰をおろしながら、雄士は自分に誓いを立てた。
 その間も晃実は血を失っていく。この深い傷を治せるのは晃実の再生力しかないという矛盾に気づき、雄士は顔を背けるようにうつむき、強く目を瞑った。
 晃実の足もとに降りたった恭平と粋もまた、柄にもなく余裕を失くした。晃実の躰は真っ赤な血でずぶ濡れだった。
 くそっ。どうすれば……っ。

 動転して焦るなか、少し離れた場所から嗚咽が聴こえた。雄士が目をやると、そこにはまだ光を纏ったシャイがいた。触れれば飛ばされるかもしれない力を剥きだしにしたシャイに、淀んだ空気がそっと近づいて(ひざまず)く。
『大丈夫だよ』
 そう云ってシャイを(くる)んだ空気の声に聞き覚えがあった。
 ……父さん?
 空気が動き、うなずいたように見えた。
『晃実を頼むよ』
 洸己に促され、雄士は腕に抱いた晃実を見下ろした。

「晃実」
 呼びかけに答えて開いたその目から流れる涙も、血の色に染まっている。
「もう……疲れた……わたしの役目は終わった……わたしは……還りたい……」
「おれたちを置き去りにしてか?」
「雄士たちは……強いから大丈夫……でも……わたしは……わたしの弱さが……またシャイを生んで……いつも誰かを傷つける……人を殺す……」
 いま見上げる雄士の額からも頬からも、晃実の力が傷つけた血が流れ伝っている。
「おれはおまえの力を無くせる」
「わたしは人殺しなの――」
「最後に手を下したのはおれだ」
 雄士が云うと、晃実の瞳からまた涙が零れて目を伏せた。
「雄士……もう還りたい……」
「晃実、どこに還る場所を求めてるんだ?」
 焦る心を抑制しながら、雄士は訊ねた。
 晃実はまっすぐに見下ろす雄士の瞳を見上げた。

 わたしが還りたい場所。それは鼓動に包まれた腕の中。遠い記憶。その腕はずっと胎内のことだと思っていたのに、わたしは本当に腕の中に包まれていた。
 薄い記憶が形になっていく。
 胎内でわたしは今と同じ思いを抱き、制御できない力で、ともに生命体を出現させ、終わりを望んでその腕に力を預けたのかもしれない。
 還りたいのは――。

「雄士の……腕の中」
「それなら――」
 雄士は空いた右手で晃実の頭の後ろを支え、顔を近づけていった。
 くちびるとくちびるが重なる。
 雄士のくちびるは完全に離れることはなく流れる血をすくいながら、吸いつくように触れることを繰り返す。傷を癒すためではなく、ただ触れ続けた。
 どれくらいそうしているのか、渇望が互いの中に甦る。
 離れがたさに低く声を漏らしながら雄士が顔を上げると、閉じた晃実の(まぶた)が震え、力を出しきるように目が開いた。
「……どうして……今……なの……? 意味があるの……?」
 晃実の血が雄士の口を赤く染めている。
「おれたちはずっとこうやって触れて一緒にいたいと願っていたはずだ」
「でも……それを叶えたら……罪が重なる……同じことを……歪んでしまう……かもしれない」
「同じことにはならない。おれはおれで、晃実は晃実だろ。もし神という存在があったとして、そしていつか審判の時があって、断罪を受けるとしても、おれは晃実を生かしたことを絶対に後悔しない。そう選ぶのに覚悟なんて必要ない。力が溢れる限り、ずっと抱きしめていてやる。それがおれのすべてだ」
 再び雄士がくちびるを下ろし、触れる直前で止めた。射抜くような眼差しが晃実を見下ろす。
「どうする? 一緒にいることを知ってから断罪を受けるのも悪くない。それとも今、一緒に死ぬことを選ぶか?」
 そこに雄士の覚悟を知った。
 人の命を無残に散らせた晃実に、(さち)を夢見る資格はきっとない。その畏れがまた晃実を暴走させるかもしれない。
 雄士の言葉はその不安よりも未練を大きくして、晃実の夢見る心を引き止める。
「約束……して」
「なんだ?」
「今度……わたしの力が止まらなくなることがあるなら……迷わずに殺して……」
「わかった。道連れになって殺してやる」
 小さくうなずいた晃実のくちびるに求めた心が降りた。
 やがて惜しむように呻いて雄士は離れ、晃実の躰を掻き(いだ)く。
 悲鳴をあげる力さえなかった躰の痛みが晃実の中から消えていった。

「……シャイは?」
 晃実が訊ねると、傍にシャイを感じた。その脇に寄り添う心にも。
「洸己おじさま……ごめんなさい」
『晃実、謝ることじゃない。雄士、つらい宿命を背負わせたな』
「そうでもない」
 雄士はため息を吐くように笑いながら洸己に答えた。
『恭平、苦しい道を選ばせてしまった。おれの考えの甘さで……結局、こうなるくらいなら、おれがあの時に決断しておくべきだった』
 洸己が後悔を滲ませた声で謝罪した。
「父さん、違う。あの時はやっぱり誰にも終わらせる力なんてなかったんだ。僕たちは幼かったし、父さんたちは体力的にやり遂げられなかったはずだ」
『……そのとおりだな。だからこそ時を待った』
 恭平の答えに洸己を取り巻く空気が哀しみから穏やかに変わった。
『粋、ありがとう。君がいてくれてよかった』
「どういたしまして。ボクは楽しんでますからお礼の必要はありませんよ」
 粋がすまして云うと、空気がさざめいた。

「父さん、ずっとここに?」
 雄士が問いかけた。
『ブレスの中にいた。あの時、晃実のミームに引きずられた。願った心を晃実が引き止めてくれたんだ』
「願った心?」
『そう。これでやっと環を一緒に連れて行ける。環は悪いのは自分だと云ってずっと後悔していた。厳密に云うなら、そこから始まったかもしれない。けど、それがなんだ? いずれすべてが解決するとしても環は幸せを放棄するだろう。それならおれも付き合おう。そう思った』
 愛しさに止まない心が横たわった環を見つめる。
『晃実、環は追い詰められて、今の君と同じように死を望んでいた。それはおれがいなかったせいでもある。あの時、環は雄士さえ連れて死を選ぼうとしていた。だからこそ、晃実は雄士との別れを予感して記憶を取り戻したんだろう。晃実は環の願いを叶えた。その晃実が罪を感じる必要はない。今日のことも。それに晃実には雄士が生きてここにいる。死を望む必要なんてないだろう。恭平も粋もいる。四人ともに在ること。それは環の中にいた時からの宿命にほかならない。おれはそう思っている』
 雄士は洸己の言葉にうなずいた。恭平と粋も続く。
『晃実?』
 洸己が催促するように名を呼んだ。
「洸己おじさま……それでもわたしが殺人者だってことは変わらない……いつか笑っていい日が来るのかな……」
『それは晃実次第だ。誰も咎める者はいない。晃実を知っているなら』
 晃実が返事をするまでには時間がかかった。
「……あの時、約束したように……わたしは大好きな人たちを信じるから……疑わずに最後まで……今度は……わたしからの約束……」
 空気が笑うように揺れた。
『あとのことは今度こそ、おまえたちに任せることになる。ただ願っている』
 そう云って空気は環へと流れていった。

「ユー、あたしは晃実?」
 雄士の前に立ったシャイが首をかしげて訊ねた。
「そうであってそうじゃないかもしれない」
「グレイは?」
「グレイも同じだ。おれであっておれじゃないかもしれない」
「シャイ、思いだしたのか?」
 恭平が口を挟むとシャイが雄士の背後を見上げ、拗ねたように口を尖らせた。その曖昧だった顔立ちがくっきりと幼い晃実を象っていく。
「恭平ちゃんもユーも嘘吐き。ふたりはずっと一緒だって云ったのに、グレイはあたしを置いてった」
「大丈夫だ。雄士がいるだろ」
「でもユーには晃実が――」
「シャイ、晃実に戻ればいい……じゃなくて戻るべきだ。晃実、雄士がいる。もう力を分けなくても平気だろ」
 晃実は恭平から雄士、そしてシャイに視線を移した。
「シャイ?」
「あたしはいいよ。グレイと――ユーと一緒にいられるなら晃実に戻りたい。傷、ふさがなくちゃ」
 シャイは幼さそのもので無邪気に戻り、あっさりと晃実の呼びかけに答えた。
 その意思のままにシャイが晃実の躰に触れたとたん、吸いこまれるように傷口から同化した。その傷口がシャイを閉じこめるようにふさがった。
 シャイの記憶が晃実の記憶と混じりあう。どんなに無邪気にはしゃいでも、シャイの中にあるのは消えることのない涙。
 その涙が晃実の瞳から零れた。

「晃実?」
「雄士……しばらく眠っていい?」
「……わかった」
 その真の意味を知っているのか、ためらったすえ答えた雄士の瞳が少し曇った。シャイとグレイ。ともに分身を持ったからこそ通じるのかもしれない。
「粋、大丈夫?」
「問題ないですよ。いつか晃実が笑ってくれるなら」
 粋はその姿では生意気に見えるしぐさで肩をすくめた。
「恭平は平気?」
「大丈夫だ。心配かけて悪かった。あとは任せて眠ればいい」
 晃実が手を伸ばすと恭平がその手をつかんだ。そこに力を感じて晃実は安堵した。
「うん」
 素直に応じて晃実は手を離した。

「晃実」
 雄士の呼びかけに、晃実は閉じようとしていた目を開けた。
 降りてきたくちびるが触れる寸前で雄士が囁く。
「おまえの心にある想いのすべてに悪も偽りもないから、おまえの心にあるおれを信じろ」
 それはどんな言葉よりも切実な告白だった。
「雄士……ずっと……抱きしめてて」
 そう云ったくちびるに雄士が触れたとたん、そのくちびるにすくわれるように晃実は眠りに落ちた。



 時の鳥となりし、神の旅人よ。
 幸までとは云わない。
 ただ、我が子らがともに在ることを、永遠(とわ)にともに在ることを。

 そう願うことさえ罪深きことなんだろうか――――。

― The story will be continued in the last time. ―

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