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|オトナのスイッチ〜デュアルヒーローvs.専属メイドのスキンシップ〜
第3章 想い想われ不離ふられ
1.不離ふられ #3
「ね、眠ってました」
びっくり眼で見上げた視界は健朗の顔でいっぱいだ。
「見ればわかる」
「お昼の仕度しなくちゃ……」
「食欲か性欲か、片方が満たされれば残ったほうも満たされる。単に痩せたいならセックス漬けっていう手がある」
「痩せたいわけじゃありません」
「モデルみたいな体型になりたいわけじゃないのか」
「……え?」
「このまえ劣等感たっぷりの顔してた」
何に対しての劣等感か、モデルという言葉が出た以上、さと美に対してでしかない。パーティのとき自分がそんなに露骨にしていたなど、気の緩みすぎで恥ずかしい。あまつさえ、健朗は結礼がもっと痩せてもいいとでも思っているのか、結礼は気落ちする。
すると、図星か、と真上から健朗が失笑を漏らした。
「おまえが優越感を持てるものなんてないし、つまり劣等感なんて持ってもなんにもならない」
傍から見れば、なぐさめているとはとても云えない、健朗は痛烈な毒舌を発揮する。当の結礼は、真の意図が何か、惑わされることはあっても傷つくことはない。ただし、最近は健朗の言葉の端々に不安を覚え始めている。
そんな心境は伝わっているのか否か、寝起きで反応の鈍い結礼につけこみ、健朗は結礼の脚を開いて間に膝をつくとウエスト丈のブラウスの下に手を入れた。キャミソールをたくし上げながらブラジャーを一緒くたにして押しあげる。ふくらみが鷲づかみされた。すぐさま大きな手が捏ねるように動きだす。
「おれはこのくらいエロい胸のほうがいい。間違っても競うなよ。相手にするほうが間違ってる」
どういう意味なのか、ただでさえ感度を煽られて健朗の言葉の意がつかめない。
「んっ……シーツ変えたばかり……ぅくっ」
健朗の硬い指先が胸先を弾いて結礼の言葉をさえぎった。伸びあがるように踵で突っ張っても、健朗の手はしっかりと結礼の胸を捕らえて放さない。親指が集中して胸先を転がし、結礼は躰をくねらせた。
喘いだ口がふさがれると、熱い舌がいきなり中までおりてきた。問答無用とばかりに荒っぽくまさぐられる。胸先への刺激が相まって、結礼の上半身に何度も痙攣が走った。触られてもいない躰の中心から、蕩けた熱がとくんとこぼれ落ちた。
その感触にもふるえ、躰をよじると、健朗はわずかに顔を上げる。
「口では無駄な抵抗しても、躰は反対のことを云ってる」
健朗は結礼の頭の上に手を伸ばした。なんだろうと思えば、健朗は結礼の目の前に箱をかざした。
「え……」
真新しいそれは避妊具にほかならない。どうりで自ら買ってくると云いだしたはずだ。――と納得している場合でもなく。
「さきに云っとけば、おれはその気満々だ」
肉食獣に変身した健朗はブラウスの裾をつかみ、下着と一緒に喉もとへと押しやって結礼の胸を晒した。胸先は捧げるように赤く尖って、健朗の欲情を煽る。結礼自身、疼くような感覚から、そこがどうなっているのか想像はついた。
「やっ」
羞恥心からきた拒絶の言葉が無自覚に口を突いて出る。
「嫌じゃないだろ。おまえの躰は食べてくださいって云ってる」
健朗は舌なめずりをしていそうな雰囲気で口を開きながら顔をおろしていった。
ふくらみの麓が搾るようにつかまれ、突きでた赤い実が濡れた熱のなかに含まれた。強く吸引され、引っ張られる。加えて、舌が巻きつくように突端を転がした。
あ、あっんっ……ふ、はっ。
くちびるを咬んで声を止めても、すぐに口は開いてしまう。
休むことなく健朗の舌が突端を絡めとり、ぞくっと躰の中から発生するふるえに何度も襲われる。嬌声に連動して、胸はぴくぴくと上下した。
逃げたいと思っているわけではないのに、感度が増すにつれ躰は逃げようとする。結礼は快楽を得やすく――もちろん自分の躰のことしか知らないから人と比べられるはずもないが、ただ、おかしいんじゃないかと不安になるのだ。
「軽くイっておくか、それとも引き延ばして最大限の快楽を得るか、どっちがいい?」
健朗は顔を上げて云いながら、手先の動きを止めることはない。
軽くと云ってもイクことには変わりはなく、わずかでも体力は消耗する。
「わか、りませ……んあっ」
指先で突端を摘ままれて扱くように摩撫され、結礼は大きく喘ぐ。
「わからないっていうことはおれにお任せってことだな。どっちにしろ、おれはおまえのイク顔が見たい」
選択肢は選んだところで最初から無意味だった。健朗はしゃあしゃあとそう打ち明けて、再び顔をおろした。
今度は反対側の胸先が健朗の口の中に埋もれる。舌ではなく歯が胸先を摩撫した。痛みにまではならない、すれすれの刺激はつまり最大の快楽値を繰りだす。感度が限りなく磨かれていくようで、おなかの奥が疼いた。甘噛みしながら吸いつかれ、そうして突端では舌先がなぶるようにうごめく。
「あっ、も……ぅっ、健朗さまっ」
「イケよ」
結礼の口もとにそんな囁き声を吐き、健朗は両側の胸をすくいながら胸先を押し潰すように捏ねまわした。背中を反らし、腰が健朗に密着してうねる。それもまた起爆剤となり、恥ずかしさも忘れて結礼は自分を健朗に押しつけた。健朗は避けるでもなく、むしろ応じて躰を押しつけ返す。捏ねていた親指に人差し指と中指が加わり、胸先が摘ままれた。揉むようにしながら、一方で扱くように摩擦を与えられ、結礼が耐えられる限界を超えた。
「んぁっやっ……う、ふっ……ぁあああ――っ」
躰は硬直し、息を詰まらせて短く悲鳴をあげたあと、結礼の全身に痙攣が走った。
快楽の果てにたどり着けば自分の躰でも制御することはできず、お尻と胸がびくびくと跳ねてしまう。それが健朗の目には嫌らしく映るのか、潤んだ視界のなか健朗の顔が迫って、荒々しくくちびるをふさがれた。
口の中で健朗の舌が暴れる。イク顔が見たいと云って否応なく従わされた結果、この乱暴なキスが結礼への欲情を示しているのなら充分だ。この一カ月の不安が掻き消えた。
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