Sugarcoat-シュガーコート- #126
第13話 My One and Only Place -6-
成り行きを見守っているうちに、詩乃は隼斗に向き直った。
「かまわないかしら?」
「迎えが来るまで好きにしていい」
詩乃はうなずいてから則友に向かった。
「じゃあ、お願いね」
「どうぞ」
詩乃は見学するだけだろうと思っていた叶多は事の次第に多少驚きながら、ふたりが溶鉱炉へ行くのを目で追った。
「叶には美鈴を頼みたいんだが」
孔明に声をかけられ、叶多が返事しようと口を開きかけたとき、陽が横から上半身を乗りだした。
「ずうずうしい奴だな。そのオヤジ口調、せめてどうにかなんないのか」
「口が悪い渡来くんに云われる筋合いはないが」
「蘇我の坊ちゃんにはそのまま返す」
明らかに嘲弄した陽の云い方に、孔明は目角を立てた。
「なんだと?」
「ある程度のレールあるんだろうけど、それに甘えて、もう卒業だってのに暇そうにしてるからさ。いくら創業者一族でも、上場している以上、世襲できるほど世間は甘くない。株主は見てるってことだ。まあ、兄貴に任せて、お小遣いもらうって手もあるだろうけどな」
陽が淡々と云い述べているうちに、孔明はさらに険しく眉をひそめていく。
「やっ、だから、ふたりともそんな難しいことをこんなとこで話さなくても。あたしは美鈴さん頼まれても大丈夫だし」
「全然難しくない」
「そう、難しくない。渡来くんの云うとおりだな」
叶多が取り繕ったのをまったく無駄にして、陽を援護しようと割りこんだのは貴仁だ。孔明が横にいる貴仁を向いて、これでもかというくらい睨めつけた。
「何が云いたいんだ?」
「いつも云ってることだ」
貴仁は孔明の迫力も“なんのその”で肩をすくめた。ふたりの間を奇妙な沈黙が漂う。
叶多からすればわけのわからない状況になってしまい、崇は、と見るとニヤニヤしたふうで、隣に立つ隼斗を見上げれば、やっぱり無表情で眺めていて、どう思っているのか皆目わからない。
「美鈴さん、行こ。毬……アオイさんも、それから渡来くんも来て!」
叶多は場の雰囲気を変えるというよりは逃げるように美鈴の腕を取り、陽を連れだした。それ以上一緒にいさせたら、争いのもとが叶多に及ぶこともありえる。そうなったときに、隼斗からへんに捉えられるのは避けたいというのが本音だ。
熔鉱炉を囲んだ低い柵まで行くと、その内側で詩乃が則友からガラス作りの説明を受けていた。吹きガラスをやるらしい。
「美鈴さん、則くんがやってるのと、もうちょっと簡単なガラス玉、どっちがいい?」
叶多はデスクまで行って、無造作に置いてある箱からいくつかガラス玉を取って見せてみた。
「大げさなのは自信ないかも。こっちでいいかな」
「じゃ、座って。用意するよ」
バーナーやガラス棒など一揃いを机の上に置くと、まずは叶多が二回かやって見せて、それから美鈴と場所を変わった。叶多の指導を受けながらやっていた美鈴は、最初は恐る恐るだったものの、三回目になると自分からやりだした。
それを眺めながら、叶多は戒斗にはじめてここに連れられてきたときのことを思いだした。また会いたい気持ちが強烈になっていく。
あと少し。
叶多は内心でつぶやいた。気持ちを切り替えようと、脇に立つ毬亜を振り仰いだ。
「毬……アオイさんもする?」
「あたしは見てるだけでいい。それから、毬亜、でいいよ」
叶多が何度も云い直すのを見かねたのか、毬亜は可笑しそうに首をかしげた。
「おまえ、千重旺介の孫だってのに水商売やってんのか」
叶多たちの会話を聞いていた陽が不躾に訊ねた。
「やってないよ。千重旺介の名前って重いじゃない? 旺介の孫ってわかるとヘンによそよそしいっていうか警戒させちゃうっていうか、とにかく引かれちゃうし、逆にあたしのことを知ってもらっても、おじいちゃんの顔を潰しそうだから偽名使ってるってわけ」
「ふーん。おまえの親父も祖父さんに負けないくらい、なかなかの腹黒だって聞いてるけどどうなんだよ」
陽は納得したのかどうか、曖昧な返事をしたあと、ますます遠慮をなくした。毬亜は気を悪くするでもなく、反対に笑いだす。
「確かに負けてないかも。おじいちゃんの跡を継ぐ気は満々かな。でも、おじいちゃんみたいに先頭に立つ気はないみたい」
「そのほうが賢明だろうな。また“非業の死”ってことになりかねないし」
叶多は毬亜の父親、つまり旺介の息子になるんだろうが、その人のことはまったく知らない。ふたりの会話を見守りながら、毬亜が――果ては千重家が有吏を守るために在ると云った真義を探したけれど、叶多の頭では無理なようだ。おまけに意味不明のことが出てきた。
「また、とか、非業の死、って何?」
「おまえ、二年前の事件、知らないのか」
陽は叶多を見下ろして、呆れたようにため息を吐いた。
「何?」
「まあ、おまえが興味あるはずもないけどな。戒と同棲始めて、デレデレしてアホ面曝してた頃だし」
「酷い」
「とにかくだ。その頃、こいつの親父――千重伶介は高速走ってるとき、銃弾受けて事故ったんだよ。伶介は編集記者っていう職業柄もあって、政財界に関しては情報通だった。加えて、現場はNシステムを通る区間なのにさ、すぐ犯人が挙がらないことから黒い噂が流れてた」
「Nシステム? 黒い噂って?」
「自動車のナンバーを読み取る装置。黒い噂ってのは要人が絡んでるってことだ。普通に事故ったんならともかく、旺介の息子で、しかも銃撃だ。報道への言論弾圧だとかなんとか云って大騒ぎになるはずが、報道自体がすぐ下火になった。そういうことが裏で誰かが動いていることを証明してる。一説じゃ、旺介への警告とも云われてる。だからこそ、それを恐れて、お偉いさんたちは誰も公には口にしないけどな。まあ、そういうことを考えれば、八掟が知らないってこともおかしくはない。ただ、噂は噂を呼ぶ。完全には消えなかった。一年後に捕まった奴はしがないチンピラだ。伶介は裏社会の告発も遠慮なかったし、それなりに煙たがられていたけど、自分の名を上げたいっていう単純極まりない理由は、噂を消すためだとしか思えない。いまの犯人は明らかにダミーだ。つまり、これで終わりにしろっていう暗黙の再警告でもあるんだろ。ま、それはともかく、あんとき伶介は家族同伴で、助手席に乗っていた娘は重体って聞いてたけどピンピンしてるな」
陽は当事者を目の前にしているというのに、酷なくらいの疑惑を口にした。毬亜はショックを受けるわけでもなく、ざっと自分の躰を見回す陽の視線を受けながら、大したことなさそうにクスッと笑った。
「そ。頭打っちゃって頭は使いものにならなくなったけど、このとおり、生きてる」
「生真面目で通ってたおまえの親父も、あれから変わったらしいけど」
「車椅子生活になっちゃったし、パパはきっといろんなことを学んだんじゃない? あたしはそれでいいと思ってる」
「旺介も不幸続きだし、おまえんちってどうなってんだ?」
「不幸続き?」
「ああ。おれたちが生まれるまえ……んー、あの事故んとき二十年ちょっとまえって云ってたから、いまじゃ二十五年くらいまえの話ってことになるんだろうけどさ、長男は集団暴行に遭って死んでる。そっちは迷宮入りだ」
叶多が呆気にとられつつ聞いたことを消化しているうちに、しばらく考えこむようにしていた陽は、徐に工房内を見渡し、それから叶多に目を向けた。その眉間が狭まる。
「な、何?」
「やっぱ、おまえの周り、ヘンな奴がうようよしてるな」
何かと思えば、とうとつに話の矛先は叶多に波及した。
「渡来くんも含めてね。でも、あたしのせいじゃないから!」
「おまえのせいじゃなかったら、どこでこのメンバーが会うことになるんだ?」
「や、だから……それは……運命ってことで」
「……簡単に片づけたな」
陽はせせら笑った。
「叶多さん、できたよ!」
叶多たち三人で物騒な話をしていた間、美鈴が何も聞いていなかったことは明らかだ。よほどガラス玉の出来に納得できたらしく、美鈴の声はあまりに張りきっていて、叶多は怯えた犬のように飛びずさってしまいそうになった。そしてそれは工房中に響き渡ったようで、美鈴は視線を一身に浴び、満足げな顔は一瞬にして羞恥心に変わった。
似てる、と叶多は思ってしまった。
しばらくすると、貴仁と孔明はちょっとした諍いも落着したらしく、叶多たちに合流してきた。
ガラス玉を作る美鈴に、孔明が時折声をかける。その様子といい、口調といい、兄妹の仲がいいんだとわかった。
叶多は、このふたりと、那桜と拓斗をつい比較してしまう。どこが違うんだろうと眺めていると、やっぱり眼差しかもしれないと思った。美鈴が孔明を見る目はうれしそう。那桜が拓斗を見る目はそれに加えて、縋るような、あるいは訴えるようなひたむきさがある。
あたしはどんなふうに見えるんだろう。やっぱり、尻尾振ってる犬かな。いまは尻尾振ってみせる機会もないけど。
叶多はため息を漏らして工房内を眺めた。陽の云うとおり、異質なメンバーだらけだ。
隼斗は崇と話しこんでいて、その様子は一族の前ではけっしてない穏やかな雰囲気だ。長としてではなく一個人としていられることや、隼斗が一つ上という、ふたりの年が近いせいもあるんだろう。
また、詩乃は則友から付きっきりで指導を受けて、隼斗から声をかけられるまでガラスを作っていた。膝下丈で裾にレースが着いたお洒落なクロップドパンツに、ジャケットっぽいパリッとした白いブラウスという姿を見るかぎり、ガラスを作ろうと思って来たわけではないだろうに、時間を忘れるほど熱心になっていたようだ。
「汗かいてしまったけど、車の中、大丈夫かしら」
隼斗に呼ばれて手を止めた詩乃は、自分の格好を見下ろしている。
「かまわんだろう」
隼斗の返事は無関心というより、そんなことを気にする理由がわからないといったふうだ。なんとなくほのぼのさが感じ取れるのはまったくの勘違いなのか。ふと、隼斗の目が叶多を向き、そう感じたことを知られたら不快だろうなと思い至って姿勢を正した。
「どうする? どうせ家に寄る。詩乃と一緒に帰るのであれば乗せていくが」
「あ、あたしはもうちょっと。和久井さんが来てくれることになっているので大丈夫です」
「気をつけなさい」
「はい」
それから隼斗たちは崇をはじめ、孔明たちとも挨拶を交わして工房を出た。叶多は陽と毬亜を伴ってあとをついていく。
すでに待っていた衛守主宰の車に乗りこんだ隼斗たちは、陽たちへの挨拶を忘れず、そして車は走り去った。
「叶多さん、あたしも帰るね」
工房に戻ろうかとすると毬亜がとうとつに云って、叶多は足を止めた。
「え、もう帰っちゃうの?」
「うん」
うなずいた毬亜が叶多の近くまで来て、耳に顔を寄せた。
「一寿と鉢合わせしたくないから」
そう云って顔を離した毬亜は、首をひねっておどけた。
「あ、そっか」
「またここ、叶多さんが来るときお邪魔してもいいかな」
「全然かまわないよ。休みになったし、だいたい昼からはここにいるかも」
「わかった。じゃね。渡来くんもまたね!」
毬亜は軽快に手を振って背中を向けた。
「おまえ、なんで迎えはタツオさんじゃないんだよ」
毬亜が立ち去るなり問いかけた陽はさすがだ。普段との違いを見逃していない。
「んー、ちょっとね」
叶多が曖昧に濁すと、追求してくるかと思いきや、それが和久井だからなのか、陽は何も云わなかった。陽がいちいち戒斗に報告するとは思えないし、叶多としては追求されてもよかったのだけれど、秘密が漏れる可能性は少ないほうがいいのも確かだ。
叶多が有吏の家に帰ったのは、夕食の時間になる七時ぎりぎりだった。隼斗は昼間に仕事を抜けだしていたせいか、いつもより遅くて八時を過ぎても帰ってこない。
叶多が風呂をすませてリビングに行ったのは九時ちょっとまえで、帰ってきていた隼斗は夕食を食べていた。
「おじさん、あたし、たか工房行っても大丈夫ですか」
隼斗が食べ終わるのを待って訊ねると、隼斗は手にしていた湯呑みを置いて、問うように首をひねった。
「孔明さんと会った頃、戒斗には行くなって云われたんです。あたしは動揺してたし、安全面を考えてだと思うんですけど。でも、もし役に立てることがあったらって……。……いえ、もしかしたら足引っ張ることになるかもしれなくて……」
叶多は自信なく、中途半端に途切れさせた。
「私からきみに強制することはない。好きにしなさい。蘇我本家はともかくとして、領我家がどういう立場にあるのかは、いま内偵しているところだ。今日、ふたりに会ってみたかぎりでは不必要にきみが警戒することはない」
「はい」
叶多は心強くなりながらもふと、隼斗の口調に、はじめから彼らに会うつもりでいたのかもしれないと思った。
「しかし」
隼斗はそこまで云っていったん口を噤み、叶多はちょっと恐々として首を傾けた。
「何かありましたか?」
「渡来くんはいい青年だ」
「はい……?」
隼斗はまだ何か云いたそうにしていて、叶多は促すように語尾を上げてみた。
それを待つ間、叶多は、わざわざ隼斗が口にするくらいだから陽はかなりお眼鏡に適ったらしいと感心しつつ、陽のどこがそう思わせたんだろうと考えた。渡来自動車を継ぐことに関して、陽が真剣に尽力しているのは知っているし、頭が切れるというのは叶多も保証するところだ。
「いや」
隼斗は短く云い、話が終わりであることを示すように湯呑みを取りあげた。
「叶多ちゃん、コーヒー飲む?」
「はい、いただきます」
キッチンから声がかかり、叶多は詩乃のところへコーヒーを取りにいった。
隼斗がお茶を口にする寸前、惜しいな、とつぶやいたように思ったのは、叶多の幻聴だろうか。
アイスコーヒーを持って二階へと階段を上がる途中に、携帯電話の着信音が聞こえてきた。叶多はグラスを片手でふさいで、コーヒーを零さないように気をつけながら部屋に急いだ。机の上にグラスを置き、ティッシュでさっと手のひらを拭いてから、携帯電話を取りあげた。
「戒斗!」
『ああ。遅かったな』
「うん、ちょっと下でおじさんと話してた」
戒斗は短く、おもしろがった笑い方をした。ベッドに腰掛けながら、電話の向こうの表情を想像してみると、叶多の顔にも自然と笑みが浮かぶ。
「何?」
『いや、ちゃんとやってるんだなって思ってさ』
「たぶん、だけど」
『今日、父さんがたか工房に行ったんだって?』
「もう知ってるの!?」
『和久井がなんのためにおれについてると思ってる』
和久井の名前が出たとたん、叶多はビクッとした。隼斗のことはいいとして、いくら忠臣の和久井であってもまさかとは思うが。
「わ、和久井さん、ほかになんか云ってなかった?」
『いや、なんだ?』
慌てた叶多に気づいたのか、ちょっとした間を置いて戒斗は返事をした。叶多はとりあえず秘密が保全されていてほっとする。
「や、なんでもない。ちょっと失敗談とか話さなかったかなと思って」
この云い逃れは当たらずといえども遠からずだ。
『何しでかしたんだ』
「いつもと変わんない。試験中に消しゴムが転がっちゃって監視さんにとってもらったり。昂月だと思って大声で呼んだら、知らない人だったり」
電話の向こうから力の抜けたような笑い声が届いた。
『それで、たか工房ではどうだった?』
「うん。おじさん、孔明さんたちに会っても、戒斗と一緒でいつもと変わんなかった。それよりも、おじさんと崇おじさんて仲いい感じがしてびっくりだったよ」
『おれがほっといたってのもあるからな』
「ほっといた?」
『崇さんの後継者探しはおれの仕事だった。バンドのこととかあって手がつけられなかった……っていうのは云い訳でしかない。その間、父さんが顔を出してたんだろ。崇さんからはちょっとまえに聞かされた。おれもまだ“ぼんぼん”らしい。おれのかわりにその仕事やってくれたのが叶多だ』
「え?」
『芳沢さん、連れてきたのは叶多だろ』
「連れてきたんじゃなくて、則くんが勝手に入ってきたんだけど」
『崇さん曰く、そこがすごいとこらしい』
「……もしかして、あたし、戒斗の役に立ってる?」
しばし考えたすえ、叶多が期待を滲ませた声で訊ねると戒斗はまた笑う。
『それ以上だ』
「それ以上?」
『そういうことだ』
おそらくはそこが肝心要なとこだろうと思うけれど、戒斗は答えなかった。
「おじさんがさっき云ったんだけど、渡来くんのこと気に入ったみたいだよ」
『だろうな』
だろうな?
戒斗の声は特になんの感情も見えなくて、どこか、そうあって当然といわんばかりだ。
「はっきりとはわかんないけど、おじさん、そのあと『惜しいな』って云った気がするの。それってなんなのかな」
叶多が返事を待っていると、戒斗は笑うでも答えるでもなく、不自然に沈黙が続いた。
「戒斗?」
『ああ。まあ、父さんがそう云ったってことは、現況に観念しつつあるってことだろうな』
叶多には意味不明なことを答えた戒斗は、薄らでも笑っているようだ。
「戒斗、あと少しだね!」
『何が』
叶多がとうとつに勢いこんで云うと、戒斗は肩をすくめてそうな声で問いかけた。
「帰ってくるの! あと一週間だよ!」
戒斗の無頓着さに叶多はちょっと口を尖らせ、それから笑って云った。てっきり、そうだな、という返事が返ってくるものと思っていたのに、一向にその言葉が発せられない。また沈黙だ。
「……戒斗?」
『一週間延びた』
叶多は一瞬、淡々とした戒斗の言葉が何についてそう云っているのか疑った。
「延びた、って?」
『ジャケットの撮影がまだ終わってないんだ。予定地の天気が悪くて延期になってる』
「……だって……」
叶多は気が抜けたような声で云いかけ、そしてやめた。
『叶多』
「ん」
一語の返事に戒斗が笑う。
笑うことじゃないのに。
戒斗とは真逆な様で、叶多のくちびるの歪みは一層酷くなった。
『叶多』
「……へーき」
叶多はやっとそれだけを云うと、手のひらで目を拭った。
『……また電話する。じゃあな』
「うん」
戒斗のいつもと変わらない口調と口癖が、余計に叶多をさみしくさせた。