禁断CLOSER第2部

長編【第2部 破砕の扉-open-】完

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第2部更新開始から1年。

以下、ネタバレありますので読んでいない方はご留意ください。

第2部を始めるまえ、これほど長くなるとは全く想像だに…かえってどうやって字数増やそうかって思ってたんです。
当初は、果歩と有沙の問題は別々のこととしてありました。が、そうすると同じシーンが2回あるということになると気づいて、つまり、救出作戦じみたことが2回になるかもってことで合体させました。
となると、絡み合わせなければならなくて、そのからくりを描くのに長くなってしまいました。

有沙はともかく、果歩の立場(男をめぐって友情が壊れる)は現実にありがち。
なので、あるあるという感じで、わりと嫌う人はいないんじゃないかと思ってたんですけど、あっち(投稿サイト)では(もしかしたら同じ人なのかもしれませんが)かなり嫌われてました…
逆に考えれば、果歩が同情じゃなく嫌われるということは、そのぶん那桜を好きになってもらったということだろうし、そんな面では成功でもあるのかな、と。

有沙はぎゃふんという目に遭ったのか否か。那桜を救うついでに救われましたから。その点、物足りなかった人もいるかもしれません。過去にもひどいことしてますしね。

補足しておけば。(たぶん、ほとんどの方がわかっていらっしゃると思いますが)有吏一族は正義の味方ではありません。
国のためなら動くけど、基本、一族を除いて一個人のために動くことはないです。だから、悪人がのさばろうと、一族や国がどうこうならなければどうでもいいってことです。
その証明として今回の一件を挙げれば。
那桜の写真がUPされた際、果歩の写真とすり替える予定でした。果歩を犠牲にしようとしていたのです。そして、果歩の写真が初めからUPされていて果歩が有沙の犠牲者であることもわかっていました。それなのに、果歩のことは歯牙にもかけず、犯罪を見過ごすつもりでした。
那桜が無謀な行動に出たから助けざるを得なくなったという。
有吏一族、なんてシビア。
まあ、拓斗が何もしてないわけはなくて、そのかわりにというか立矢は察して発言してます。「香堂は潰れるよ」その一言に尽きるということで。有沙にとって何が一番避けたいことかということです。

拓斗は不思議なもので、私からすれば、今まで書いた主役級男子のなかでいちばん少年というイメージなんです。どんなに年をとっても。もちろん、弟の戒斗よりも。
第2部の拓斗はシュガーコートのファーストステップ時の戒斗と同じ年です。それを考えると、相手が叶多だからなのか、戒斗のほうが大人っぽいという感じ。
拓斗はある意味、心の中に11才で時間が止まっている部分があるからかも。作中では戒斗はちゃんと弟らしく見えてると思いますが。
拓斗、何があっても動じなさそうなのに、ほっとけない男なんだよなぁなんて思いつつ。
それはともかく、拓斗のopenいかがだったでしょう。楽しんでいただけたのなら喜び至極。あとからでも何らかの反応をいただけたら嬉しいです。

さて、第3部。
ここからは一族のことが中心になってきます。文量的には1部の半分くらいと思っています。
サブタイトル『out』はどういうことかわかりますよね。
那桜が大学3年生の終わりから4年生半ばまで――【Sugarcoat-シュガーコート-】が始まる頃までの物語になります。
拓斗がどう闘ってくれるのか。那桜は、自分の将来に何が用意されているのか、3部の時点では知らないままなので、ちょっと難しいところですが、視点の入れ替えをうまく使いつつ、やっていきたいと思います。
純粋な素直なハッピーエンドで読み終わりたいなら、ここまでが無難かと…という第3部です。

2014.04.電子書籍化
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