不惑の男は淫らに甘く

長編連載期間2017.11/19~2018.4/5

4カ月半、およそ160000字で完結。

やくざものは1回きりと思って愛魂(3つのパターンあり)にて渾身の力を振り絞り書きましたが…
ライトなストーリーとワルな男を書きたくて再度挑戦。
いくつかのパーツはあったんですが、組み合わせたら結局ストーリーは当初思っていたのとは違った展開に。
もとのストーリーはまた別の機会に中編あたりで書くかもしれません。
それはさておき。

今回はやくざでもインテリ系の組織。
リアルに今は、取り締まりが厳格化したのか資金源が厳しいとか耳にしますが、やくざの世界も頭脳戦という転機になるんでしょうか。
之史は大っぴらには書いていませんが、かなり知能の高い人です。
ゆえに普通のことに退屈して、常識を窮屈に感じてます。
自由を求めてやくざへ…というのも突飛⇒天才=変人というところ。
実際のやくざの世界は上下関係がはっきりしていて窮屈なんでしょうけれど、之史はなにぶん退屈屋さんなので、自由という建前のある時代で、むしろ楽しんでいたかもしれません。

一方で世里奈は、トラブルの請負人。
二人が出会ったきっかけのおばあちゃんの一件からすれば、どうやら頼まれたら嫌と言えない性格で、それが災いしていることもあるかと思います。
そして、やくざであればいくらインテリ系でも普通は引いてしまうところ、わりとあっさり受け入れてるのはトラブル慣れしているせいかもしれず。
浜崎と朝香に襲われたことも、別れを告げられたショックとトラブル慣れのせいであとを引きずらないという清々しさは世里奈ならでは。

世里奈にとって之史はトラブルを跳ね返す盾であり、之史にとって世里奈は彼自身が云っていたように試練、つまり人生の楽しみです。
いいコンビ。

物語の中で書かなかったことの補足をすれば。
吉開コンサルはあくまで組員の一部がやっていることであり、やくざとしての事務所は別の場所にあります。
之史の情報源、並びに人脈は作中に少し書いてますが、なんといっても出身大学つながりで、国の要人も数知れず。このために中途退学ではなく卒業したらしいです。

エピローグを書きながら、之史の実家に行く話を思いつきつつ、まあどんな形かは未定ですが、extraもどこかでお披露目できたらと思います。

2020.05.電子書籍化 Illustration by 逢沢
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